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経営組織論 [A4 一枚のdoc]
田中 求之 先生 2003年2月16日
公式組織 ■ 共通目的と調整
「意識的に調整された」=共通目的の実現に適うように ( 意思的に調整された行為のシステム ) ▼ 共通目的を視点として、行為が組織に属する ( 組織を形成する ) ものかどうかが識別可能になる。 ( 例えある組織のために働いていても、全ての行為が組織を形成するわけではない。 ) ? 組織の 境界 をはっきりさせることができる ( 即ち組織に属する行為とそうでない行為を明確に分ける )
▼ 行為 ( 行動 ) のプログラム化 ( 一定の行為が組織の行為として、言語化、定式化、正当化を行う ) ? 公式化 ( 共通目的を土台をする ) ▼ 人の入れ替わりに抗して組織の同一性を確保する ( いかにして安定的に行為を確保するか ) ための方法 e 個人と行為を切り離す。 ( 個人・人格に依存しなくてもよい e 即ち、人の交替 ( 出入 ) に関係なく組織を維持できる ( 官僚制 ) ) ▼ 組織の同一性は、行為が組織に所属するかどうかの境界の恒常性として確立される■ 貢献者とメンバー 組織に行為を提供する人=貢献者
ある組織を成り立たせている全ての行為の貢献者を把握することは不可能 e どこまでがその組織なのか、輪郭が不鮮明であり、また操作の対象 ( マネジメントの対象 ) としては扱えない。 ▼ 組織の輪郭 ( 境界 ) をはっきりとさせ、社会的な存在としての 同一性 ( アイデンティティ ) を得るために、メンバーシップが利用されることになる。 ▼ メンバーというものを定め、 メンバーか否かという区別を行うことによって、人の次元で組織の存立の基盤を確保する ( つまり、人間のレベルで線引きを行う ) 。 これも 公式化の 重要な側面である 。 ▼ メンバーになる資格、入退会の条件などが明確にされる 。 ▼ メンバー資格 :一定の行為を行うことを了承する e メンバーであることと 規範の承認 ( 一定ルールの承認 ) をリンクさせる e 「調整」を行う / 従うことを承認させる。 ▼ 明言された公式的な期待を受容することが、成員資格となる e つまり、加入 / 脱退条件を、公式の行動期待とリンクさせて、メンバーを確定することで、 組織の同一性を保つ e 組織を人の集まりとしてまとめる。 ▼ 現実に、多くの組織においては、 加入と脱退の手続きが存在し 、メンバーと、そうでないもの ( 部外者 ) とを明確に判別できるようになっている ▼ メンバー同士 は、お互いに、相手は ( それが個人的にはどんな人間であるとしてもメンバーになっているからには ) 共通の目的の実現と組織の維持のために 行為するはずだという 予想がたてられる し、それをあてにして自分が振舞えることになる ( 確実な期待を得られる ) 。 ▼ だから 人間のコミュニケーションの不確実性を除去できる。 ▼ 公式化の本質 :一定の期待をメンバー資格の条件として分離させ、一括処理すること。 ▼ メンバーであること=メンバーであることによって、分配=見返りを受け取る ▼ 参加への動機づけと仕事への動機付けの分離 e システムの指揮を動機づけから解放 ? 即時的な作用連関の維持が可能 || 動機づけの構造と目的構造を分離し、高度の内部分化を遂げる事が可能になり、柔軟性と適応能力を得る || 動機づけの構造と目的構造の双方を一定限度内で互いに独立して変更することができる。
■ 公式組織と人格 ▼ 公式化 : 行為を、個人の人格の側面 ( 固有性 ) から切り離し、組織人格 ( メンバー / 役割 ) によって担わせる。 ▼ 組織内において、個人人格と組織人格の解消できない 二重性が 存在なる ( @ 目的の二重化と対応 A 一つの行為が、 役割の実現 ( 共通目的 ) と 、 個人 ( 個人目的 ) の表現 という二重性を帯びる。 ) 各個人は、この二重構造を戦略的に用いた 自己表現 が可能になる。
▼ それゆえ、個人人格による接触から生まれる関係も存在する。それが 非公式組織 と呼ばれるものである。 非公式組織:個人的な相互作用 。 非公式組織の機能 :
( ・自律的人格の感覚の維持 ・自尊心、自主的選択の維持 ・個性の維持 ・個人の社会的欲望の充足 ) ▼ どんな公式組織にも、それに連関して非公式組織が発生する ( 存在する ) 。非公式組織は公式組織を生み出す契機となるが、非公式組織その物のままでは短命であり、公式組織化することで長期存続が可能となる。
■ 公式組織と商品社会 ▼ 公式化された構造の安定化は、個々のメンバーをいつでも取り換えることができるということ、つまり、 安定的に機能する労働市場の存在に基づいている 。 ▼ 巨大組織の成立は、商品経済 ( 資本制経済 ) の広がりと連関している。商品経済では、生きること=商品の売買、商品というメディアが様々な関係を媒介する社会である。特異な商品が、貨幣と我々自身である。
複合化と専門化 ■ 組織の複合化 通常の公式組織は、なぜピラミッド型の階層組織になるのか ? ▼ 組織の成長と複合化 組織は単純から複合へ、小さいから大きくなって成長する。 基本組織は 1 0名ほどの規模 単純組織の規模に 限界があるので 、複合組織必要になる。 ( 人数が増え、組織が大きくなる、 ∴ 一つの組織ではやってられない。しかも、組織が増えると能力が無くなるかも ) ▼ コミュニケーションの必要性から生じる。 組織の形という観点では、コミュニケーションの手間が大きな要因となってくる。 コミュニケーションとは、目的として描かれたものを現実化していくプロセスであり現実化そのものである。 それゆえに、コミュニケーションの必要性、あり方と技術は、組織の形に大きな影響を与える。 人間のコミュニケーションの能力は限界があり、一定の規模を超えると、組織を分けるとよい。 ▼ 単位組織 ▼ 単位組織の規模は、効果的なリーダーシップの限界によって決まる e このリーダーシップとは、リーダーの特性ではなく、 組織の全体の調整力、統合力だ ▼ 統制範囲 ( 一人の管理者が管理できる部下の数 ) と呼ぶこともある。 ▼ この限界を決まる 要因 は ( @ 目的や技術的状況 ( 環境 ) の複雑性 A コミュニケーションの状況、困難さ B コミュニケーションの必要性 C個人的諸関係、社会的状況の複雑性 ) ▼ 単位組織は、常に他の公式組織に従属して存在する。複合的な性格を持つ大きい組織は、直接に個人の行為 ( サービス ) から成り立つのではなく、下位の単位組織の行為 ( サービス ) から構成される。
▼ 管理組織 複合組織においては、コミュニケーションの必要上から、下位単位組織の管理職能が一人に集中する ( 連絡係を経由して、コミュニケーションを行う ) ▼ 管理職能を担うものは、 2 つの単位組織の「構成員」になる ( 組織を分けるのは最低でも二層構造 )? 彼の具体的な行為は、二つの異なる単位組織の活動になる。 ▼ 単一の行為によって二つの組織に同時に貢献するというのは、全ての複合組織における決定的事実。複合組織では単位管理のピラミッドが展開する。複合組織の構造的特徴は、コミュニケーションの必要性が単位組織の規模に及ぼす影響によって決定される。
■ 専門化 ( 役割分担、分業 ) --- ▼ 専門化の基礎 @作業が実施される場所 A作業が行われる時間 B作業を共にする人々 C作業の対象物 D作業方法ないし作業過程 ▼ 専門化の意義 協働システムの有効性は専門化の革新の工夫 ( イノベーション ) 、その採用に依存している。専門化は常に (1) 調整の要求に進んで服従する意思を持ち、 (2) 適切に伝達する能力を持つ、特殊な一団の人々に依存している。専門化は、目指す目的を反映したものであり、また逆に、目的は組織技術の状態を反映するものである。個人の生物的制約をよりよく克服するのは組織の精巧な専門化である。 ▼ 専門化のメリットとデメリット メリット: @仕事、職務の単純化 ( 細分化され、個々に割り当てられた仕事のことを職務という ) A専門的熟練の形成 デメリット: @仕事 ( 職務 ) の単調化 A流動性 ( 柔軟性 ) の喪失、変化への対応能力の退化 B組織内対立 ( コンフリクト ) を助長 , 例え予算など。
専門化と目的 専門化の第一義的側面は、 目的の分析 ( 細分化 ) 、即ち一般目的を中間目的ないし細部目的に分析することである。 ▼ 協働の目的は専門化なしには成就されない。そこに含まれる 調整 は組織の機能面である。この機能は、目的を成し遂げうるような仕方で、個人の努力を協働状況全体の諸条件に相関させることである。 ▼ 目的を諸部分ないし細部諸目的に分析すること、全体状況を諸部分に分析すること。 ▼ 複合組織における単位組織は一つの専門化であるから、複合組織の一般目的は組織の各単位に対する特定目的に分割されねばならない。 ▼ 単位組織の維持に効果のあるのは、単位レベルにおけるこの細部目的である。 ▼ 局部目的ないし細部目的が理解されないか受け入れられなければ、単位組織の分解が生ずる。 ▼ 複合体の一般目的を理解することや受容することは必須のものではない。 ▼ 一般に複合組織は、その一般目的を完全に理解せず、また完全に受容していないところに特徴がある。 ▼ 重要なのは目的の知的理解よりも、むしろ行動根拠に対する信念である 環境適応の高度化 ▼ 単純なシステムにおいて可能であったものよりも、はるかに多くの環境情報を処理できるようになる。 ▼ 下位システムを配列することによって、きわめて複雑な環境の中で存続するためのポテンシャルを高める。 ▼ 環境から来る撹乱的効果をシステムの部分へと局所化し、隔離する。 ▼ 部分の特殊化による学習能力の向上 ▼ 専門化によって、環境を限定し、その環境への適応度をあげることが可能になる
部分は機械化する ▼ 下位システムは、それぞれが調達すべき手段が割り当てられるが、それを目的とする e 手段が自己目的化する ▼ 目的手段図式がシステムの構想へと投射されると、全体がシステムの目的であり、部分はその手段であるという考えが生じてくる ▼ 全体部分図式−複雑な自体を表す静態的な秩序モデル ▼ 目的 / 手段図式−リニアに思い描かれた行為を表すダイナミックな因果モデル ■ 組織構造 ( 専門化体系 ) 選択のトレードオフ 専門化のあり方が組織構造を決定するが、以下のトレードオフが存在する。 @集権と分権 A分化と統合 B調和とコンフリクト C戦略 ( 長期 ) と効率 ( 短期 ) 根本にあるのは、自律性と他律性のトレードオフであり、組織は常にこのトレードオフの間のバランスをとり続けなければならない。
■ 誘因 ( インセンティブ ) の経済
▼ 誘因の経済の重要性 協働の力は、個人の協働しようという意欲と、協働システムに貢献しようという意欲とに依存する。 ▼ 個人的な努力は誘因によって人々が提供する ▼ 誘因 ( インセンティブ ) =組織が提供する見返り ( の期待 ) ▼ 組織において、適当な誘因を提供するのが、その存続のために最も強調されなければならない任務である。 人間の欲求マズローの欲求5段階説: 生理的欲求 (physiological)/ 安全 / 愛情 / 尊厳 (esteem)/ 自己実現 (self-actualization)
▼ 誘因の 2 側面 積極的誘因と消極的誘因 @ 積極的誘因 = 何かが与えられる
A 消極的誘因=負担を減らすか取り除く ▼ 一般的には、どちらの側面 も 持っている 誘因の客観的側面と主観的側面 @ 客観的側面=物財、貨幣などの積極的誘因 A 主観的側面=個人の心的状態、態度、動機などに対する働きかけ ( 評価 ) ▼ 組織は、客観的誘因を提供する上に、主観的誘因をうまく組み合わせることが必要。 誘因の方法 @ 客観的誘因の提供方法=誘因の方法 A 主観的態度を改変させる方法=説得の方法 ▼ 誘因の方法 個別的誘因 ( 個人に対して提供される ) @物質的誘因:生理的、安全 A評価的 ( 社会的 ) 誘因:尊厳、自己実現 B人的誘因:愛情 e 職場の人々の人間的魅力、仲間の居心地のよさ C理念的誘因:尊厳、自己実現 e 思想や価値観、経営理念への共鳴 D自己実現的誘因:自己実現 e 仕事の面白さの追及、役割、権限、裁量権を得る 一般的誘因 ( 全体的な場として提供される ) @社会結合の魅力 A慣習 ・ 態度への適合 B広い参加の機会 C心的交流 (condition of communion) 誘因の複雑性 ▼ 人はそれぞれ違った誘因、あるいはその組み合わせによって動かされるし、時が異なればまた違った誘因、あるいはその組み合わせによって動かされる ▼ 人々は自身のもつ欲求について不安定であるが、これは環境の不安定を反映する ( 環境は変化する ) ▼ 組織は、人々から協働的努力を引きだすための全ての誘因を提供しえないし、また通常は十分な誘因を提供することができない
▼ 説得の方法 組織が必要とする誘因を提供できない場合には、提供しうる誘因が適当となるように多くの人々の欲望を説得によって改変しないかぎり、組織は存続できない 説得の種類 @強制 A機会の合理化 B教育、宣伝 ? 習慣的規範によって、論理的な面だけでなく、感情的面にも規制する 。
▼ 誘因の経済 誘因と説得のバランスをいかにとるかが、組織存続の戦略的要因である。 ▼ 誘因提供の手段を得、誘因の対立を避け、効果的な説得努力をすることはもともと非常に困難 ▼ 効果的でしかも実行可能な誘因と説得の明確な組み合わせを決めることが、非常にデリケートな問題 ▼ 適用に先立って誘因体系を決定するのは難しく、徐々に発展させていくしかない ▼ 誘因体系は協働体系の要素のうちでおそらく最も不安定
■ 権威とコミュニケーション
▼ 権威とは ▼ 組織で働くのは 、人の指示によって、組織に参加していなければ行わないようなことをやること e 組織において、命令によって行為が行われている、つまり、コミュニケーションによって行為が行われる ? 組織は、これがうまくいかないと、成り立たない コミュニケーションの根本原理=伝わらなければ意味がない 通常、上位者からの命令にしたがって働く。しかし、命令ならば全てを受け入れるわけではない。 命令の「正しさ」 ( 正当性 ) =他人の言葉 ( 行為 ) を自分の行為の基礎 ( 基盤 ) として受け入れること。
これらは、他人の言葉に、自分を指示するだけの「権威」を認めているからである ▼ その命令が最もな内容である ▼ その命令者は、それを言うに相応しい ▼ 自分はその命令に従って当然である ▼ その命令は、相応しい状況で言われた
▼ 権威の定義 公式組織における伝達 ( 命令 ) の性格
? 伝達内容の「相応しさ」の問題である。コミュニケーションの問題だ。
? それによって構成員が、伝達を、自己の行為を支配するものとして受容する
? 命令の正当性 ( 「相応しさ」 ) 権威の 2 つの側面 @ 主観的側面=伝達を権威あるものとして受容すること A 客観的側面=受容される伝達の条件権威の確定 権威は伝達の性格であるが、 受容されることではじめて伝達の権威が確認あるいは確定される。 ▼ 一の命令が権威を持つかどうかの意思決定は受容者の側にあり、「権威者」 ( 発令者 ) の側にあるのではない。 ▼ 伝わらなければ意味がない ▼ 権威受容の条件 個人に対する権威を確立するには、その個人の同意が必要 受容の条件 @伝達を理解でき、理解すること A意思決定に当たり、伝達内容が組織目的と矛盾しないと信ずること B意思決定に当たり、伝達内容が自己の個人的利害全体と両立しうると信ずること C伝達内容 ( 指示内容 ) に従いうること ▼ 権威と組織の維持 命令が発せられるたびに権威の吟味が受容者によって行われるとすれば、継続的な組織の存立はあやうい
組織継続の権威的条件 ( @ 命令は通常受容4条件に一致している A 各個人に「無関心圏」が存在し、その圏内では、命令はその権威の有無を意識的に反問することなく受容しうる e 命令の内容がなんであるかに比較的無関心に受け入れる命令 B 集団として組織に貢献している人々の利害は、個人の主観あるいは態度に、この無関心圏の安定性を維持する影響を与える ) ▼ いつでも大部分の貢献者の間には、自分たちにとって無関心圏にある命令は、全てその権威を維持しようとする積極的な個人的関心がある ▼ 上位権威 無関心圏および共同感による権威の問題回避を形式化したもの /関係から地位への逆転/皆が言うことを聞くから偉い ↓ /偉いから皆が言うことを聞く ↓ /偉いらから皆は言うことを聞かなければならない ▼ 「権威は上から下へと下降し、一般的なものから特殊 ( 個別 ) なものへといたるというフィクションが通用する ▼ この仮構におって、上位者からの命令を受け入れやすくするような予想の確立、および服従への屈従感を取り除き、黙認を可能にする ▼ 組織決定を行う責任を上位に委譲する過程 e 自己の行為に対する責任をとらなくてよいことになる e 従うほうも楽 ( 自分で判断する必要がない ) ▼ 重要なのは組織の利益であるという見方が生じる ( Note: 日々の組織の活動において、命令指示のたびに判断が入ることはない(もし入ったら、とてもうまくは動かない。なぜ受容するかどうかの判断がほとんど無いのか:@受容条件を満たしていると信じているA行っての命令は無条件に受ける。無関心圏が成立している。 メンバーとして加入すること=一定の命令を受けは入れることの承認。つまり、メンバーという縛りのある組織では命令に従わないことがメンバーの自分の立場の問題になる。) ▼ 調整体系 客観的権威の維持
▼ 組織おける伝達体系の運用いかんに依存する ▼ 規定的要因:@ 伝達の経路は明確に知らされていなければならない A 客観的権威は組織のあらゆる構成員にたいする明確な公式的伝達経路を必要とする B 伝達ラインは、できるだけ直接的か、または短くなければならない。 C 完全な伝達ラインが通常は用いられなければならない D 伝達のセンターの役目を果たす人々は、能力が適格でなければならない E 全ての伝達は確証されなければならない
■ 意思決定
▼ 組織的意思決定 組織は多くの人々の組織的意思決定のつながいで成り立っている。組織的意思決定は非人格的論理的機能的である。組織においては誰が、どんな意思決定を行い、その責任を負うかが明確になっている必要がある。 ▼ 組織的意思決定=組織目的によって支配されている個人の手段の意識的な選択 ▼ 個人の行う重要な組織行為は、組織的意思決定を必要とし、その意味で論理的なものである ▼ 権威と組織内伝達の公式的構造の基底にあるものは、伝達ラインの職位全般にわたって配分されている相互作用的な意思決定過程である。 ▼ 全ての調整された協働努力は、二つの意思決定行為を含む @ 貢献するかどうかの個人的な意思決定 A 組織目的と組織に与える影響から行為を決定する組織的意思決定 ▼ 組織的意思決定に対する責任は、積極的かつ明確に割り当てられなければならない
▼ 意思決定の発生 意思決定は厄介な仕事である ▼ 必要以上の意思決定は避けようとするのが普通である ▼ 管理者は 、自分の職位に関して決められた一定の範囲内で意思決定を行う義務がある e 自分の能力の限度を守らなければならない e 自分のやれる限度以上に受け入れないように意思決定の起因を選別する必要がある ▼ 意思決定が生じる場合 @上位者からの権威ある伝達 A部下から意思決定を求められた場合 B当人のイニシアティブ
▼ 意思決定の種類 決定する 内容による分類 (何を決めるのか) @業務的意思決定 … 日常業務の効率化 ( 予算、マーケティング、 RD) A管理的意思決定 … 組織 ( 構造 ) の整備 ( 人事 ) B戦略的意思決定 … 外部環境との適合 ( 新製品開発&投入 ) C道徳的意思決定 … 経営理念 決定の 仕方による分類 (どんなふうに決めるか) @常軌化 ( 慣習化 ) された意思決定 ( 手続き上の、形だけの意思決定 ) A問題解決型意思決定 ( 通常の意思決定 B決断 ( 計算不可能な状況での判断、賭け ) C消極的意思決定 ( 決定しないことの決定 ) ▼決定しないことが重要なこともある: 管理的意思決定の真髄とは、@現在適切でない問題を決定しないこと、A気熟せずしては決定しないこと、B実行しえない決定をしないこと、そして他の人がなすべき決定をしないことである ▼ 目的と環境 ▼意思決定に関わる要因 : @目的 A環境=物的世界、社会的世界、外的事物と諸力、状況 ▼意思決定の機能は、二つの間の関係を調整する:@目的を変更するか A環境を変えるか 即ち目的と環境の認識スパイラル ▼ 戦略的要因 ▼環境に関する意思決定 ( 識別 ・ 判断 ) は、環境の分析である e ? 分析=「戦略的要因」を探し求めること
▼ 環境の要因 : @制約的要因=取り除いたり変化させることで目的を達成できる要因 A補完的要因=不変のままの要因 ▼制約的要因 ( 認識論的 ) =戦略的要因 ( 行為論的 ) e 正しい方式で正しい場所と時間にそれをコントロールすれば、目的を満たすような新しい状況 ( 条件 ) を確立できる要因 ▼戦略的要因を決めるのは、それ自体ただちに目的を新しいレベルに変形させる意思決定であり、新しい状況において新しい戦略的要因を探索することを強いる ▼新しい戦略的要因を絶えず決定していく反復的意思決定が広い目的 ( 一般的な目的 ) の達成には必要。 ▼ 意思決定の理想的な過程は 、過去の歴史、経験、知識に照らし、現状における行為の将来的結果の予想にもとづき、 戦略的要因を識別すること 、および目的を再限定するか変更するか、である。 ▼ 意思決定と責任 ▼ 意思決定は、後続の行為者に対して、 不確実性を縮減する ( 不確実性を考慮する負担を取り除く ) ことになる。 これは、本来は伝えるべきだったかも知れない情報を遮断してしまうリスクをはらむ行為である 。それゆえ、意思決定を行うものは、常に、その決定に従う者たちに対して、複雑性を縮減し世界を一定の枠で切り取ったことに対する責任を負う。これは、法的な根拠によるものではなく、選択という行為が根源的に持っている責任である。
■ 組織文化とリーダーシップ
▼ 目的の 2 つ側面 @具体的に何をするのか ( 具体的、物質的 ) Aこの組織は何のために存在するのか ( 抽象的、理念的。社会の中での位置付け ) 後者 ( 経営理念と呼ばれるもの ) は、組織の価値観、文化を作り支え出すものである。▼経営理念のその機能:@社会に存在を受け入れてもらうA組織の価値観を形成する ▼ 組織の価値観 ▼組織は、何らかの価値観を孕んだもの ( 制度的存在、道徳的存在 ) になる。▼組織に価値観が必要な理由: @ 人々が理念的インセンティブを欲する A 行動、判断の指針を与える B コミュニケーションのベースを提供する ▼これは、言い換えるならば、組織が次のような場であるということだ。 @ 人々の心的エネルギーと生き甲斐の場 A 人々の信条の場 B 情報伝達の場 ▼ 価値が注入されることで、初めて組織は社会的な有機体 ( 生きたもの ) になる。 価値観は文化として根づくことで実効性を持つ
▼組織文化 組織文化 :メンバーが共有する、ものの見方、考え方、感じ方
組織文化は、組織が活動していく中で、自然と発生してくる。 ▼ 組織文化の3つの要素 : @組織の価値観 A人々に共有された信念 ( 世界観 ) B行動規範 ▼組織文化の機能:@モチベーション A判断の基準 Bコミュニケーション 組織文化の存在は各個人の意思決定、行動、学習など様々様な局面で影響を与える 。そうした影響を与えてしまう、「見えない構造」である。 ▼ 組織文化の生成の手法 :@言語での表現 A具体的行動の共有 B象徴の共有 C教育 D選抜 ( 採用 )
組織文化の生成や変革は長期的プロセスである。 ▼ 組織文化の逆機能:@思考様式の均質化(創造性、革新性が失われていく)A自己保存本能 “今のまま”を保つ、慣性が強くなる。 「枠にはめてしまう」 ⇔ 枠があることで創造がなされる
▼リーダーシップ リーダーシップの基本的機能 リーダーシップの基本的機能は理念、価値、文化の創造である。 @基本的な任務、役割、目標の決定 A価値、行動規範を設定 B仕事の仕方の指示 C部下の動機づけ D仕事の評価 リーダーシップは、リーダー ( 企業のトップ ) だけが行使するものではない。 リーダーシップの創造的機能 : 人々に理念、価値を与え、それを文化とて、定着させていくこと。 リーダーシップの困難 協働が目指すものとの本質的矛盾、バランスをとる必要がある @安定と活力 ( 創造性 ) A活動と学習 B自律と他律 リーダーならではのリーダーシップ:まとまりを鼓舞する力 ▼リーダーシップ=信念を作りだすことによって協働的な個人的意思決定を鼓舞する力 ▼リーダーシップは、必要欠くべからざる社会的な本質的存在であって、共同目的に共通な意味を与え、他の諸誘因を効果的ならしめる誘因を創造し、変化する環境の中で、無数の意思決定の主観的側面に一貫性を与え、共同に必要な強い凝集力を生み出す個人的確信を吹き込むものである。▼リーダーシップは触媒 e ? 他の人々を通じて創造し、生産することである▼リーダーシップ=ガーデニング e リーダーシップとは、人々が力を付与されるような環境を作り出すプロセスである▼他人をリードするのではなく、プロセスをリードする。 道徳創造 ・ 理念の創造 ▼社会も公式組織も、それぞれの構成員の信頼性の伴った責任ある行動によって自律的に運営されている道徳的制度とみなせる。そこにおいてリーダーは、権力や強制力によるよりは諸個人の自立性と責任感に信頼性を置き、かつそれらに依存してはじめて、全体としての調整が可能になるとともに諸個人の発展をも期待することができる。▼管理責任とは、人々の意思を結合して、人々の直接目的やその時代を越える目的を果たさせるよう自らをかりたてるリーダーの能力である。これらの目的が低く、時間が短いときでさえも、人々の一時的な努力は、人の助けを借りない一人の人を超越する、生命力のある組織の一部になる。しかし、これらの目的が高くて、多くの世代の多数の人々の意思が結合されるときには、組織は永遠に存続することになる。▼組織は、個人と社会それぞれの規範を統合しうるような組織道徳を創造する努力をしなければならない。それが社会的責任である。道徳性は未来にかかわる。▼価値を注入するとは、日常的な活動を営んでいる人々の間に、長期的な意味と目的を受容させることであり、組織を社会的な使命や目的を表現するような存在へ作り替えていくことである。それがリーダーシップであり、それを発揮するべき指導者の役割である。▼組織が社会の中で存続していくためには、社会的存在として認められなければならない。▼組織の今ある姿、あったであろう姿、あるべき姿、ありえない姿、これらを理念 ( ビジョン ) として形にすること。▼組織の社会的なアイデンティティの確立と、社会的責任を担うこと
■ 管理
▼ 管理とは何か ? 管理とは、変化する環境の中で協働システムの均衡を維持してその長期的存続をはかる専門的な作用である 。 ▼ 協働努力のシステムは全体として自ら管理するものであって、その一部である管理組織によって管理されるのではない。管理諸職能は、全体としての組織プロセスの部分 / 側面である e 神経と身体 ▼ 人々の集団を管理することではない、協働のシステムを管理することではない ▼ 管理プロセス 管理過程は、 内的均衡 と 外的均衡 の維持
@内的均衡 組織の成立 / 存立の3条件 ----( 貢献意欲、共通目的、コミュニケーション ) A外的均衡 (有効性と能率) 有効性 有効性=最終目的を達成するために、全体状況の下で選択された手段が、適切であるかどうかということ。 ▼ 広義の技術の問題 ( 様々な技術 ? 組織構造、儀式 ・ 慣習、会計 …) ▼ 全体の有効性を確保するということ=諸技術 ( 目的 ) の全体の総括の過程、局部と全体、一般的要求と特殊的要求とのバランスを取る。 全体の有効性と部分の有効性は異なる ▼ 全体を考えることの難しさ=公式に、秩序立って、全体を考えることはまれで、また考えることさえできず、それができるのは、ただ少数の天才的管理者、あるいはその職員が鋭敏な感覚を持ち、よく統合されている場合に限られる。
能率 (各人の満足度) 組織の能率=組織活動を引きだすに十分なほど個人の動機を満足させて、組織活動の均衡を維持すること。 (各個人を満足させられたか?という問題) 二つの重要ポイント:@各個人に対する見返り ( インセンティブ ) 、分配の問題 A全体としての創造力(活動で得た物、創造 ( 経済 ) の問題) ▼ 組織が存続しうるのは、組織が全体として生産しあるいは確保する経済的な満足並びにその他の満足が、常にその組織が全体として浪費する経済的並びにその他の給付を償いうる場合のみ。 ▼ 組織の究極の能率は二つの全く異なる要因、即ち、 (a) 部分の能率、 (b) 全体的の創造的な経済、に依存することになる ▼ 組織の能率は、 2 つのコントロールから生ずる 。1つは、交換点即ち組織の周辺での収支の細部に渡るコントロールであり、もう一つは、組織に内的で生産的要因たる調整である。 ▼ 交換は分配要因であり、調整は創造要因である ▼ 諸効用の共通の尺度はない=調整は、センスの問題、釣り合い感、異質な諸部分の全体への関係付け。 ▼ 全般的な管理過程は、重要な側面において、知的なものではなく、美的、道徳的なものである。
▼ 組織の存続の基準 組織が社会の中で存続 ・ 発展しうるためには、合理性、人間性、社会性の3つの基準を満たすことが求められる。 ( 組織の長期的存続のためには社会を受け入れられること一つの社会的存在となることが必要となる )
?有効性、能率、理念
存立
存続
展開
制度的存在
内的均衡
外的均衡
社会的バランス
共通目的
有効性
? 合理性
貢献意欲
能率
? 人間性
コミュニケーション
理念創造
? 社会性
倫理と責任
一つの社会的 ・ 道徳的制度として 、組織には倫理と責任を担う 。
倫理: 自分の持っている力を「正しく」使うこと ▼ 「正しく」あるとは、という本質的な問題 , 何か正しいのか?を考え続けよ! ▼ 「正しく」あろうとする努力の形でしか成立しないもの ?
責任:コミュニケーションの中で開かれてあること ? 「なぜ ? 」という問い掛けを引き受けること ▼ ? コミュニケーションは、常に「他でもあり得た」という可能性を孕む。
「自分が考える理想の組織とはどんなものかを述べよ」
21 世紀に入って、組織の最も大きな変化は IT (情報技術)による組織改革と思っています。コンピュータ技術の更新やネットワークの活用など、 IT 産業の技術革新によって、経営組織はどうやって質的に変化するのかは今からの大きな課題である。
組織の本質は二人以上の人々の意識的に調整された人間の行為のシステムであり、誘因と貢献の均衡に基づいて行動する人間によってなりたるのである。これをコンピュータなどを用いて労働過程を目的―手段関係的に重層化して構築し(情報システム化)、組織合理性を確保すれば、組織的意思決定を個人の限界を超えた高いレベルで実現することができる。それはサイモンの理論であった。近代組織の考え方は、組織の一定の標準化、公式化により、それ(標準)を形式合理的に構造化するという組織合理性の考え方に立つものであるが、この組織合理性を、組織内部の情報の役割と、その伝達の仕組みにおいて強化した。こういう新しい組織を構造するために、 IT 技術は最も中心的な部分である。
まず、組織内部のネットワークを構築しなければならない。 組織(ある企業の経営組織としてもよい)の OA 化は当然なことであるが、その間に LAN や無線 LAN でつなげって、 Intranet や Groupware などの形態で、組織内部のネットワークを構築必要がある。インターネットの技術を用いて、電子メール、 BBS 、 Netmeeting 、 Public Schedule 、 Share Document(Share Database) などらか形成される。その新しい組織方式と管理方式で、情報共有という役割は中心的な精神としている。組織の成立条件のは:コミュニケーション、貢献意欲、共通目的であり、ネットワークをうまく利用すれば、組織内部の情報伝達は当然簡単になっている。そして、共有 ( シェア、 Share) の精神によって、組織の中の貢献者は貢献しようという意欲があるときに、簡単にトップリーダーに、あるいは BBS や、ネット会議で、自分の発想や意見を直接発表することができる。
そのメリットは以下のいくつの点である。
1.ある程度上、組織の中の人々は自己実現の欲求を満たすことができる。それはマズローの欲求の 5 段説の最高の段階である。もしある貢献者のアイディアを採用されたら、この貢献者の価値を組織から認められ、そして物質的な誘因ももらえる。
2.ネットで発言の任意性より、この組織は組織中散在のイノベーションやノウハウを最大化活用することができる。そして、リーダーは各個人の意見を聞き、遅れずに組織の調整機能を行って、社内(組織内部)のバランスを取れる。
3.以上の二つのことをうまく行けば、即ち、各貢献者の尊厳と能力を十分尊敬する上に、リーダーシップの機能を発揮できるし、いい組織文化を創造することができる。
逆に、全てインターネットで構築された組織内の管理方式はいくつかの弱点と注意点があると思う。現在、ネットをうまくマスターする専門家は少ないし、ネットのセキュリティも問題点になる。そして、発言の任意性より、発明者の知識財産を保護しなければならない。
だから、私理想的な組織形式は IT 技術を利用し、トップダウンまたはダウントップの間の壁を除いて、個人の能力を十分に重視しするし、このような公平な雰囲気で、新たな組織を構成すると思っています。
Last update: 12/11/2004 6:07
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