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作者:  Kreny Leave me message Email:
最後の更新:December 11 2004 05:12:36.
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第三章 社員区分制度と社員格付け制度(まとめ) pdf

平成 15 年 6 月 3 日 ( 火 )

1 −社員の多様化は何を意味するのか

1.変わりつつある人事管理の基盤

人事管理の変化が様々な分野で起こり続ける。 その背景とする一つの構造変化は一つは、企業で働く労働者の構成が多様化し続ける。それは非正社員の増え続けると正社員の区分の多様化する両方で現れている。

人事管理の諸制度を新たに設計するときに、特定の管理分野から始めることは間違いではないが、決して適切なやり方ではない。

例えば、技術者と技能者の 2 つの社員群を必要とする会社として、両社員群ともに、長期にわたって会社に残ってほしい、または社内で育成して行きたい考えるだろうかと技術者についてはそうであるが、技能者はそうする必要がないと考えるだろうか、つまり長期の人材の育成・確保と活用の考え方にも基づいて従業員をどのようにグループ分けするかという決定によって、異なる人事管理の体系を設計し、異なる人事管理の基本構造を決めることになる。

2.変わりつつある「偉さ」の序

人事管理のもうひとつの構造変化は年功序列を、「能力があるかどうか」を基盤にした序列に再編する。つまり能力主義が強まりつつある。

社内の「偉さ」の序列を決める基準は「利益にどの程度貢献するのか」で決まると考える人が多い。しかし、現実の人事管理の場合、会社の複雑な分業と会社の短期と長期の利益によって、その測る方法がそれぞれ異なるから、その「偉さ」の社内序列を決める基準は多様である。年功制が崩れるとしたら、人事管理にとっての最も重要な意味は、社内序列を決める基本構造が変わることなのである。

 

2−人事管理の基盤システム

1.人事管理の構造と基盤システム

人事管理は、社員区分制度と社員格付け制度 2 つの土台から形成される。その上に賃金、採用、配置、能力開発、評価、昇進などのサブ・システムがのる構造になっている。この土台をなす 2 つの制度が変化すると、人事管理システム全体も変化する。

2 .社員区分制度―内部労働市場の構造を決める

(1)どの程度の区分が最適化

社員区分制度を設計するには、「どの程度に区分するのか」(区分の程度)と「どのように区分するのか」(区分の基準)の 2 つ決める必要がある。社員区分制度は内部労働市場の構造を決めることにもなる。

区分の程度について:  企業は区分を細かくするほど従業員の多様性に適合する人事管理の体系を作ることができるし、それぞれの仕事の特性にあった人事管理体系を整備することが可能になる。 しかし、細かく区分するほど多くの異なる人事管理を適用されている社員群間の均衡を測ることが難しくなり、企業内での従業員の流動性は阻害され、また従業員間の意思疎通と協調性が阻害され、組織全体の生産性が低下する恐れがある。

(2)何が望ましい区分の基準か

社員区分の基準は 4 つのタイプがある。

@仕事内容の違いにも基づくものである。例えば職種によって区分する方法である。

A将来のキャリア形成に対する企業の期待の違いによる基準である。典型的な例は、経営の幹部層に育っていくことが期待されている層と、将来にわたって補助的な業務を担当することが期待されている層である。

Bキャリア段階の違い、つまり従業員の育成の観点から従業員を区分する方法である。それは、「能力養成期」、「能力拡充期」、「能力発揮期」 3 つに分けっている。

C企業が期待する働き方の違いによる基準である。

現実には、異なる区分の社員群に対して「どの程度異なる」人事管理を適用するかについても多様な選択肢があるので、社員区分を決定するのが複雑である。

3.社員格付け制度

(1)社員格付け制度の多様性

企業内での従業員の「偉さ」を決めるときに、重要度の尺度として何を採用するかのよって制度の形態は異なってくる。

社員格付け制度の多様性を体系的に整理すると人間系、仕事系、市場系の 3 つの部分からなる仕事の流れが示されている。人間系は仕事に取り込む人が持つ労働意欲と潜在能力、仕事系は人が取り込む仕事とその際に発揮された能力から構成される。最後の成果は最終的には市場で評価されるので、ここでは市場形に位置つけられる。その 3 つの要素の中の何を評価基準として重視するかによって、社員格付け制度の類型が決まる。

(2)社員格付け制度の特質―市場調整力と市場開発力

多様な社員格付け制度の中の最善のものを判断するときに、重要なことは各タイプの功罪を正しく理解して行くこと。

企業は長期的な観点に立って人材を安定的に供給(雇用と教育)するための社会的な装置である。だから、企業が人材の余剰が一時的に発生するというリスクを負うことは不可避であり、人事管理はそれを全体に作らざるを得ない。

人材余剰のリスクへの対応は 2 つの方法がある。

@需要の変動に合わせて人材の供給を調整することによってリスクを回避する。その人事管理の対応力を 市場調整力 と呼ぶ。(ジャスト・イン・タイム)

メリット:人材余剰のリスクを最小にできる。

ディメリット:新たな市場を開発するための人材を供給すると既存人材を活用するという面で弱点を持っている。

A新たな市場を開発する(つまり新しい仕事を作る)ことによってリスクを回避する方法であり。その対応力は 市場開発力 と呼ぶ。

メリット:将来の市場を開発するための人材、あるいは仕事や組織の変化に柔軟に対応できる人材を蓄積する面では強みを持つ。

ディメリット:短期的な需要変動の中で人材余剰が発生したり、新たな市場開発に失敗して人材の蓄積のために支払ったコスト(投資)を回収できないリスクがある。

人間形に基づく年功制度と職能資格制度は市場開発力に優れた社員格付け制度である。仕事系に基づく職務分類制度は、市場調整力に優れた社員格付け制度である。

 

3−日本型社員区分制度と人事管理の複線化

1.多様な労働者グループ

企業はある範囲の事業活動を行うが、内部で行う内生分野と外部に任せる外部分野の区分(業務の内外区分)を決めなければならない。

直接指揮命令を受ける労働者(内生分野)の中では、企業が直接雇用している労働者(社員)と他者に雇用されている非直用の派遣労働者の 2 つタイプがある。

直用と非直用の範囲が決まると、企業は次に直用の労働者(社員)を「働き方」や「雇用契約の期間」の違いを考慮して幾つかのタイプに分ける。分け方の基準として、「働き方」と「雇用契約の期間」 2 つがある。

しかし、正社員と非正社員が同種の仕事に就くことが増え、両者の処遇の均衡を図ることも問題になってきている。正社員と非正社員の区分が曖昧になり、社員の分け方の再編が必要であることを示している。

企業は近年、雇用の柔軟性を高めたりするために、外部に任せる業務分野を拡大する方向で「業務の内外区分」を変更する。

2.正社員の区分―「社員区分」

日本の企業の現実の社員区分制度。

第二次世界大戦前の人事管理は明確な学歴別身分制度をとってきた。戦後、職工間(職員と工員)の身分格差の撤廃が急速に進んだ。学歴別身分制度によって複数のグループに分割されていた従業員が同じ身分に統合され、それが日本の人事管理の重要な特徴なってきた。現実に、社員の区分がある程度導入されている。最も体表的な社員区分制度が、技能職(ブルーカラー)と事務・技術職(ホワイトカラー)というわけ方である。

社員区分の再編成の代表的な動き:

一般職:住居の移転を伴う転勤のない社員区分;

総合職:全国・世界のどこでも転勤する社員区分;

勤務地限定社員制度:転勤の範囲を一定のエリア内(住居の移転がない範囲)とするエリア社員などと呼ばれる新しい社員区分;

専任職、専門職:管理職に加えて、高度な専門能力を要する研究開発などの職務に就く専門職と豊富な経験を要する特定の領域の職務に就く専任職。

特に注目されている専門職制度の特徴は:

@キャリア形成の面から見ると、一定のランク以上の層を対象にした制度として設置されている。

A分化した 2 つのキャリア・ルートの「偉さ」の対応関係については、管理職と専門職のランクを 1 対 1 で対応させ、専門職としての昇進を保証している。

B処遇の面では、職能資格制度のもとで管理職と専門職のバランスが取られている。

 

4−日本型社員格付け制度と職能資格制度

1.二重のランキング・システム

日本企業の社員格付け制度は2つの尺度によって従業員をランキングする。一つは役職ランクを尺度としての職階制度と職務遂行能力を尺度としての職能資格制度である。日本の企業の多くの人は2つの「偉さ」の称号を持ち、昇進も職階制度上の昇進と職能資格制度上の昇進の2つから構成される。人事管理の観点から見ると、職能資格制度は社員序列をより広く統制している。管理職は職能資格制度によって能力があると認定された人から選抜する。また、賃金などの処遇は職能資格制度による職能資格に基づいて決定される。

2.職能資格制度の作り方

従業員は職能資格等級基準をベースに評価され、その結果に対する資格に格付けされることになり、より上位の資格に対応する能力を得たと評価されれば、その資格に昇進することができる。賃金制度は資格等級に対応するように設計されるので、四角が決まると給与が決まる。

3.職能資格制度の仕掛けと強み

職能資格制度の仕掛けと強み:

@「評価の基準」 「職能資格等級基準」という絶対基準に基づいて評価される「絶対能力」が強調され、一組の絶対基準で持って、仕事内容の異なる従業員を共通に評価・格付けでき、従業員の間の公平性を確保する。

A「仕事と資格の分離」 仕事から離れて個人のもつ職務遂行能力を持って従業員を評価する。

B処遇とくに給与が資格に対応して決定される。  2番目とあわせて、「仕事と給与の分離」が可能になる。

職能資格制度は「人間(従業員)の成長の側に視点を置く人間基準」を基本的な理念としている。

職能資格制度は、企業経営にとって3つの利点がある。

@人事管理の公平性が担保され、集団主義の利益を期待できる。

A組織の柔軟性を確保できる。

B個人の能力開発努力を誘引する強力なインセンティブ機構を組み込む。

 

5−社員区分制度と社員格付け制度の国際比較

1.アメリカ型の社員格付け制度は職務分類制度

アメリカで一般化している職務分類制度は企業にとっての重要度の尺度として「職務の重要性」をとっている。職務分析の結果に基づいて、総合的に評価する。そしていくつかの段階をつくり、各段階にグレード数をつけ、それより賃金表を作って、賃金が自動的に決まる。

2.国際比較―何が日本の特徴か

「制度上」

日本

欧米

社員区分制度

単一

多様

社員付け制度

潜在能力などの人間系重視

仕事系重視

 

「人事管理のあり方」

日本

欧米

メリット

社員間の協調性、仕事の配分と人の配置の柔軟性

賃金を仕事にリンクするので、貢献度により、報酬を決めやすい。

ディメリット

優遇することが難しい、昇進や賃金が仕事から離れた形で決定されてしまう。

ブルーカラーとホワイトカラーの間の協調性を取りにくい。仕事の配分を柔軟に行うことと就業インの能力開発を促進することが難しい。

 

以上です。

 

Last update: 01/26/2004 20:23
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